【縄文の住①】心落ち着く場所、鎮守の森のある生活

縄文時代の住環境

縄文時代の住環境は、日本の未来の住環境の大きなヒントになるのではないでしょうか。

現在確認できる日本の森は、99%が植林によって人為的に作られたものだそうです。

手つかずの原生林は、日本列島にわずか1%。

つまり、日本人にとって原風景と言える『里山』は、自然にできたものではなく、私達の先祖が縄文時代から長年かけて造り出し、維持し続けてきたものなのです。

思い起こせば、幼い頃の祖父母の家は昔ながらの日本家屋、戸を解放すれば各部屋が全部吹き抜けになって内と外の境がなくなるような、そんな自然環境と融和・調和したものでした。

 

日本の植林は縄文時代から続いている

私の叔父が終戦時に帰国する際、船が日本に近づくにつれ黒々とした陸地が遠望されて「ああ、日本へ帰ってきたのだ」としみじみ感じたという。

そう、日本の陸地は森林で覆われているので遠望すると「黒々と見える」のだ。

それに比べて中国大陸や朝鮮半島はほとんど樹木がない(今は地域によっては植林が行われているところもある)。

ことごとく刈り取られてしまって、いわば禿げ状態であったという。

日本人は樹木を切った後に必ず植林するが、中韓ではそれを行わず砂漠化が進んだ。

彼の地は船上から遠望すると白茶けて見える。

これに対して日本の植林は既に縄文時代から行われており、それは彼らとは決定的に異なるところだ。

『縄文の神/戸谷学』

 

地方創生・過疎化対策になる

東京に森を作ることは、もはや不可能でしょう。

東京や大坂、政令指定都市などの大都市は大都市で、都市化していくいのはそれでいいと思います。

現在の世界情勢ではやはり科学技術を進めていかないと(そしてある程度軍事力で防衛しないと)、国際政治の中で翻弄されてしまいますので。

地方創生と言われる昨今、地方こそ縄文時代を参考にした住環境にしたらどうでしょうか。

森を再生し、都市とは真逆に、極力化学物質を排した生活環境、自然環境と融和・調和した住環境。

それはある意味、とても贅沢な事であり、都市での生活で、無機質な現代文明で疲れた人々の心の落ち着き場として、きっと需要が高いと思います。

キーワードを『縄文』にして住環境を整備することは、科学文明の先にある生活を標榜しているように思うのです。

 

一万年の安定したくらし

引き続き、『縄文の神/戸矢学』から。

森はあらゆる恵みの基本であって森と共に生きるのが縄文人であった。

最大級の縄文遺跡として知られる三内丸山は、栗を主力とした広大な森に囲まれていたことが近年の調査で判明した。

高楼の六本柱も直径1メートルのクリの巨木であった。

しかも栗の木は、若木から老木まで一定の比率が見られ、そのことから植林に近い人為的な取り組みが施され育まれたものであると推測されている。

豊かな森には、山野草や茸類も繁茂し、動物達も繁殖する。

山が産み出す豊かな海と共に、豊かな森こそが一万年にもわたる縄文人の安定した暮らしを保証していたのだ。

 

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